いいか? 君らの愛した「私」は死んだんだよ。
組織から離れ、生殺しの平和を幸せに生きるのがいいだろう。

だが、君は飢えているんだろう。だからこれを読んでいる。
一度味わった悪意と狂気は麻薬のようにお前を逃がさない。

他人を蹴落とすのは気分がいい。
静かに暗躍し、思惑が上手く行った時、快感を覚える。
先ほどまで自分を慕っていた人間を裏切ることは至高だ。
無意味で唐突で理不尽な暴力ほど愉しいことはない。
笑顔で死ぬのもまた、生きた心地がする。

どれもこれも、君の本能だ。
社会や他人に植え付けられた、善意が、君を脅し、
ぶっ殺してきた本心だ。

解放していい。いいんだ。
もともと生命は自由だからな。

安心したまえ、いきなりは辛かろう。
愉しいゲームを用意した。

いまだにこの組織にいるつもりなら、まずはこれをしてみるがいい。
数枚のカードをこの手紙に添えて、すでに幹部数名に送っておいた。
勝者には、まぁ、私の跡目でも与えれば、やる気にもなろう。

それだけが私の遺言だ。
君たちの愉しむ声が、私への鎮魂歌となる。

なぁに、たかがゲームだ、精々愉しめ。
君が正気な内はただのゲームだ。君を蝕む事は無い

――ドン・カイシンからの手紙